アトリエトーク

映画の館『スポポン館』 第28回

平成27年3月11日

館主 平 均(たいら ひとし) <ペンネーム>

試験シーズンも終わり、皆さんのところにも春はやって来たでしょうか。思い起こせば1年前、息子の高校受験のため、九州へ出張に行ったついでに大宰府まで足を伸ばし、合格祈願のお守りを買ったものです。藁にもすがりたくなる気分になりますからね。

おっと、菅原道真と藁を一緒にしたわけではございません。いやそれよりも、河村国語塾があるではありませんか!

さてさて、前回に引き続き私が2014年に映画館で観た洋画の後編です。いつものように観た順で紹介していきます。

(21) イントゥ・ザ・ストーム
まさに体験型アトラクション・ムービー。ストーリーは二の次で、猛烈な竜巻体験を実感できる『ツイスター』の進化版。あな恐ろしや。それにしても、アメリカにはトルネード・ハンターがいるのだから驚き。

(22) フライト・ゲーム
戦うオヤジ、リーアム・ニーソンが飛行機の中で大暴れ。乗客乗員全員が人質かつ容疑者という設定で最後までハラハラドキドキのサスペンス&アクションの連続。最後はパニック・スペクタクルにもなって満足感いっぱい。

(23) ゲッタウェイ/スーパースネーク
『ニード・フォー・スピード』のように本物のカー・アクション映画を狙って作ったのだろうけど、臨場感が湧かない平凡な作品になってしまった。凄腕の元プロ・レーサーをカムバックさせるための策略というのもなんだかなあ。

(24) バツイチは恋のはじまり
再婚しなければ幸せな結婚生活を送れないという家系の設定が面白いラブ・コメディ。おかしな二人が紆余曲折した挙句のハッピー・エンドは感動的。彼女の家族がそれぞれ個性的で実に愉快。

(25) NY心霊捜査官
霊感が強い刑事が追う奇妙な連続殺人事件。と言っても、結局は悪魔憑きを扱っており、エクソシストものの一種でありました。主人公の実体験を基にしているところがミソ。

(26) ジャ-ジー・ボーイズ
“ザ・フォー・シーズンズ”の結成から解散までを鮮やかに描いたクリント・イーストウッド監督作品。以前に紹介済み。

(27) 猿の惑星/新世紀
とにかく猿の特撮が素晴らしい。生々しくて本物と偽物の違いが分からない。物語的には前作に比べてスケール・ダウンした印象があり、もったいない。旧シリーズのように尻つぼみにならないように願う。

(28) キョンシー
キョンシーはキョンシーでもコミカルなキョンシーではなく、怖く哀しく幻想的な映画。しかしながら、話がよく分からない部分も多く、全体には間延びした散漫な印象が強い。

(29) ボーグマン
どこに魅力があるのか分からない得体の知れない男をリーダーとした謎のグループが、ある一家を侵食していく不条理ドラマ。決して魅力的でない奴らが人を取り込んでいくところが面白いと言えば面白い。

(30) イコライザー
必殺仕事人イコライザーの誕生物語とでも言うべき作品。戦闘能力抜群のホームセンター従業員をデンゼル・ワシントンが好演。こういう人と知り合いになれたらいいな。クロエちゃんよかったね。

(31) エクスペンダブルズ3
開巻から派手にぶっ飛ばして最後までテンション上がりっ放し。2作目に負けず劣らずの面白さで、ベテラン・アクション・スターたちの心意気ここに在り。若手も仲間に引き入れ、アクション番長スタローンの面目躍如。

(32) サボタージュ
シュワちゃん映画史上最も凄惨でグロなシーン満載のサスペンス・アクション。力技の演出で脚本の?部分(2本分の映画を観た感じ)も吹き飛ばしてしまう。銃撃戦のパワフルさは半端ない出来。

(33) インターステラー
移住できる星を求めて宇宙を探索するパイロットと地球に残った娘との壮大な愛の物語。地球の危機がいまいち感じられない点があるが、特撮のスケールも壮大で見応えあり。

(34) フューリー
数少ない戦車部隊の映画なので期待をしたが、脚本が陳腐でいまいちの作品になってしまった。人物描写も曖昧感が否めない。ただし、本物のタイガー戦車登場シーンには涙する。

(35) ゴーン・ガール
ある日突然行方不明となった妻を捜索する過程で、妻の、そして夫の知られざる面が徐々に露わになっていく怖い映画。夫婦で観たら、お互い疑心暗鬼になって困ったことになってしまいそう。

(36) 6才のボクが、大人になるまで。
主人公の少年が6才から18才になるまでを、その家族を含めて役者が12年間同じ役を演じ続けるという、企画段階で技アリの作品。まるで自分の家のホームムービーを観ているような錯覚に襲われ、心に残る映画になった。お母さん役のパトリシア・アークエット、祝アカデミー賞受賞。

(37) サンバ
フランスで不法滞在移民となってしまったセネガルの青年の苦悩をコミカルかつシリアスに描く。日本ではあまりピンと来ないが、ヨーロッパでは移民問題が深刻だということが分かる。

これで、昨年映画館で鑑賞した作品の全てです。この他にもビデオで観た作品も多々あります。今年はどんな素晴らしい、楽しい、怖い、心に沁みる、ガッカリな愛すべき映画に出会えるでしょうか。皆さんも勉強の合間に観てね。

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