アトリエトーク

映画の館『スポポン館』 第5回

平成25年2月10日

館主 平 均(たいら ひとし) <ペンネーム>

皆さん、風邪やインフルエンザにかかっていませんか?特に受験生にとっては大事な時期なので体調管理には気を付けましょう。

ということで、「アウトブレイク」や「コンテイジョン」「ブラインドネス」はたまた「感染列島」のような感染パニック映画を上映しようと考えていたのですが、それらに影響されて皆さんが病気になってはいけませんので、前回、邦画をやったからには洋画もやっておかなくてはと考え直し、昨年映画館で観た全洋画の寸評を載せることにしました。ベストテンとかではありませんので玉石混合ですが、私にとってはみんな可愛い映画ですのでお付き合い下さい。順番は観た順です。

(1)ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル
今回もハラハラ・ドキドキの連続大活劇。このスパイ・シリーズは面白い。トム・クルーズのスタント・アクションは立派。こちらはフラフラ。

(2)J・エドガー
イーストウッド監督が描くFBI初代長官ジョン・エドガー・フーバーの半生記。ディカプリオ熱演なるも物語の繋ぎが悪く、どうも締まらない展開に。

(3)ヒューゴの不思議な発明
駅に住む少年と映画初期のトリック監督ジョルジュ・メリエスを絡めて描いたファンタジー。とにかく、マーティン・スコセッシ監督の映画への愛が感じられる。

(4)戦火の馬
第一次世界大戦を生き抜いたサラブレッドの物語。様々な人間との関わりも面白いが、何と言っても馬の演技が素晴らしい。戦場を疾走する姿には惚れ惚れ。

(5) ツーリスト
ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーの豪華初共演で贈るユルいサスペンス・ミステリー。二人をそれなりに楽しんで観ればいいかも。

(6)この愛のために撃て
奥さんを人質に獲られた夫が単身奪還に臨むアクション映画。夫が一般男性なので時に頼りないところがあり、それがハラハラ感を生むいい効果になっている。

(7)ドラゴン・タトゥーの女
スウェーデン・ミステリーのアメリカでの再映画化。スタッフ、キャストとも頑張っていると思うけど、やはり本国版には敵わなかったなあ。

(8)シャーロック・ホームズ シャドウゲーム
新解釈ホームズの第2弾。宿敵モリアーティ教授が登場するが、頭脳プレイやニヤリとさせる小技が減って大味な印象になってしまったのは残念。

(9)バトルシップ
凶悪エイリアンがハワイ沖に襲来。迎え撃つは合同演習中の日米艦隊。と、お話は単純明快。迫力ある戦闘シーンに燃え燃え(または、萌え萌え)。最後の戦艦登場に涙せよ。

(10)マンイーター
人間を食べる奴とは巨大ワニだった。この作品では都会ではなく未開の地を舞台に暴れまわる。自分の土俵だからそりゃ強いわ。

(11)アーティスト
第1回で紹介済み。

(12)グリーン・ゾーン
イラクには大量破壊兵器は無かった、という暴露記事的なアクション映画なんだけど、なんか今さら感があるな。

(13)ヒマラヤ 運命の山
ヒマラヤ登山で起こった悲劇の実話。真実に沿って真面目に作られているのは分かるけど、肝心の登山シーンが迫力不足で盛り上がりに欠ける。

(14)ヘルプ 心がつなぐストーリー
黒人差別の実態を若い白人女性から見て行く群像劇。泣いて笑って、とにかく仲間がいることがどれだけ大事なことかが分かる。現実を受け入れた上で夢を持とう。

(15)16ブロック
ショボクレ刑事が悪徳刑事から事件の証人を守るため孤軍奮闘。ブルース・ウィリスはこういう役がピッタリ。「ダイ・ハード」のマクレーン刑事に通じるね。

(16)密告・者
警察のイヌ(密告者)になった男の苦しみがヒリヒリ痛いほど伝わる映画。普通の神経の持ち主ではやっていけないよな、こんな生活。

(17)君への誓い
涙ぐましい努力で、記憶喪失になった奥さんとまた恋愛からやり直す夫がけなげでいじらしい。こんな夫とめぐり逢えて、奥さんは幸せ者だなあ。実話の映画化。

(18)アンネの追憶
アンネ・フランクのユダヤ人収容所時代を描く実話の映画化。何故、こんなひどいことが公然と行われていたのか改めて憤りを感じる。アンネ役がもう少し痩せていればな。

(19)幸せへのキセキ
引っ越した先は動物園付きの家だった、って、そりゃ驚くわね。そして素人が動物園を運営。しかも実話と来た。何事もチャレンジ精神が必要だ。パオ~ン。

(20)ダーク・シャドウ
ティム・バートン節炸裂のダーク・コメディ。昔のテレビ・シリーズの映画化らしいけど、毒のある笑いがいっぱい。好き嫌いが分かれる映画だろうな。私はダ・イ・ス・キ。

(21)ネイビーシルズ
本物の米海軍特殊部隊SEALSの隊員が出演しているので期待大だったけど、いっそドキュメンタリーにした方がよかったんじゃないかな。

(22)崖っぷちの男
第2回で紹介済み

(23)アメイジング・スパイダーマン
なんだ、早くも「スパイダーマン」のリメイクかとタカをくくっていたら何たる新鮮さ。高校生の爽やか青春物語にもなってるのね。続編絶対観るよ。

(24)アベンジャーズ
アイアンマンなどのコミック・ヒーロー大集合。ただのお祭り映画かと思いきや、皆が団結する過程がよく描かれていてグッド。バトル・シーンはケッサク。

(25)THE GREY 凍える太陽
冬のアラスカで飛行機不時着。生存者は寒さだけではなく、狼の餌食になっていく。最後まで諦めず執念を持つ者のみが生き抜くことができる。諦めちゃあかんよ。

(26)プロメテウス
人類の起源は何なのか?という壮大なテーマかと思っていたら、結局は「エイリアン」の焼き直しだった。それなりに面白いことに違いはないが。

(27)デンジャラス・ラン
元CIAの危険人物とCIA若造の逃亡劇がアップテンポで描かれる。デンゼル・ワシントンは悪役やってもどうしても良い子ちゃんに見えるなあ。

(28)最強のふたり
身体障害者とガサツな若造の凸凹コンビ。若造がだんだん人間的に成長していく物語でもある。既成曲の使い方が実にいい。アース・ウィンド&ファイアー!

(29)屋根裏部屋のマリアたち
無気力親父が家政婦たちのおかげで元気に。と言ってもエッチな想像はしないこと。でも、奥さんと離婚する展開はさすがフランス。ビバ!個人主義。

(30)ロック・オブ・エイジズ
ノリノリのロック・ミュージカルを期待したんだけど、主役カップルに魅力無く残念。ただし、トム・クルーズは圧巻。ノリノリだぜーい。

(31)ハンガー・ゲーム
少年少女が殺し合うハリウッド版「バトル・ロワイアル」みたいだけど、殺し合い描写も甘く、とにかくゲームのルールが甘くてよく分からんところあり。

(32)バイオハザードⅤ リトリビューション
このシリーズもそろそろ潮時かと思いきや、意表を突くシークエンスを織り込んで最後まで一気に見せる。アリスがスーパーウーマンになっていないのがいい。

(33)アイアン・スカイ
ナチスが月から攻めて来る!という荒唐無稽なSFアクション・コメディ。おバカな映画と思わせて、しかし実は現代国際政治への痛烈な風刺映画だったのだ。

(34)ボーン・レガシー
メリハリあるスパイ・アクション、ボーン・シリーズの番外編。と言ってもこれがなかなか面白く、今度はこっちがシリーズ化になるね。

(35)ぼくたちのムッシュ・ラザール
小学校の先生が教室で自殺。子供たちの動揺。個人的(国家的?)問題を抱える代用教員。それぞれの苦悩を静かに描き希望を与えるラストに安堵。ホッ。

(36)推理作家ポー 最後の5日間
エドガー・アラン・ポーの死の直前を描いたミステリー。推理ものの面白さに加え、時代の雰囲気が実によく出ており、その場にいるような錯覚に陥る。

(37)SAFE/セイフ
元水泳選手のアクション一筋俳優ジェイソン・ステイサム主演。今回は子供を絡ませたところが新味と言えば新味か。

(38)キック・オーバー
メル・ギブソンが刑務所(と言っても一つの町みたいなところ)舞台に大暴れ。やはり彼はやんちゃな役がよく似合う。祝完全復活。バンバン。

(39)エクスペンダブルズ2
アクション番長シルベスター・スタローンが仲間を引き連れて作ったシリーズ第2弾。前作よりパワーアップでとにかく燃える。落ち込んだ時必見。ガッツガッツ!

(40)ラルゴ
70年代に起こったイランでのアメリカ大使館人質事件の裏でこんな脱出劇があったなんて驚き。まさに映画みたいな実話がスリリングにテンポよく描かれている。

(41)ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館
血みどろスプラッターとは違う雰囲気満点、背筋がゾッとするホラー。昔懐かしいハマー・フィルムの怪奇映画が復活。映画は怖いけど嬉しくなってニコニコ。

全41本、最後までご鑑賞いただきありがとうございました。
前回のコラムで洋画は44本観たと書きましたが41本でした。数も数えられなくなってきたようで、ヤバイ。
それではまた次回。

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