アトリエトーク

映画の館『スポポン館』 第2回

平成24年11月10日

館主 平 均(たいら ひとし) <ペンネーム>

皆さんお待ちかね、かどうかは分かりませんが、当映画館第2回目の上映時間がやって来ました。

柿落としでは私が学生時代に観た70、80年代のメル・ブルックス監督作品を紹介しましたが、塾生の皆さんにとっては生まれる前の古い映画なんですね。『風と共に去りぬ』や『ローマの休日』と同じクラシック映画になってしまうの?あな、恐ろしや。ということで、今回は最近封切られたバリバリの新作から紹介することにしましょう。

1本目は『崖っぷちの男』(Man On A Ledge 2011 アメリカ)題名からしてインパクトあるでしょ。勉強で崖っぷちの人もいれば仕事で崖っぷちの人(←それ、あんたでしょ)、金欠で崖っぷちの人(←これも、あんたやろ)もいるかと思いますが、この映画は主人公の男性がホテル上層の部屋の窓から外に出て壁にへばり付き、道路に飛び降りようとするシーンから始まります。なんでそんなことを?と思っているうちに次から次へと物語が進んで行き、えっ!?うそ!?どうなってるの!?へエ―!?といった具合に予想出来ない展開がてんこ盛りになります。

話の展開と本当は飛び降りたくない主人公が落っこちそうになったりするのとで、こちらはハラハラドキドキの連続です。そして、怒涛のクライマックスからラストへと。ああ、落っこちるウ~!!
ところが観終わった後、グッタリするのと同時になんとほんわか幸せ気分になるんですよ。サスペンス映画でこんないい気分になるのは久し振り。よくこんなアイデアを思いつくなあと脚本の巧さに脱帽です。そういう映画なのでこれ以上書けないのが残念。騙されたと思って観てみてください。きっと騙されますから。

それでは、あれ!?どうなってんの!?なんだそうだったのか!という予想が全くつかない映画をもう1本。これも新しい作品『アンノウン』(Unknown 2011 米+独)。奥さんと二人で学会に出席のためベルリンにやって来た博士が交通事故に遭ってしまいます。一時昏睡状態になったものの搬送された病院からホテルに戻ると、皆があなたは誰?名前を言っても、それはあなたじゃない。なんと奥さんにまで、あんた誰?と言われ気味悪がられる始末。(←奥さんに愛想尽かされてるあんたみたいやな)おまけに彼が全く知らない奴が博士(夫)として現れるではないですか!

この先どうなるのかな?まさか主人公の夢でした、チャンチャンで終わったら怒るよ、と思っているうちに予期せぬ展開が待ってました。ベルリンを舞台にしたのも納得で、最後はきっちりサスペンス・アクション映画として楽しめます。これまた脚本の巧さに感心です。

今回は国語の長文読解問題を解くのに役立つ(←こらっ!ええかげんなこと言うたらあかん)よく練られたストーリー展開の作品を紹介しましたので、勉強の合間に頭の体操代わりに観て下さい。そして観終わった後、脚本だけではなく演出や役者、音楽その他諸々のいいところが一体となっていい映画が出来るんだなあと改めて感じるでしょう。もちろん最後にはハッピーな気分になってください。
それでは次回も皆さんに楽しんでもらえる作品を上映するので、皆さんも大いに映画を観ましょう。たまには映画館にも足を運んでね。

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