アトリエトーク

『11月にむけてのご挨拶』
―病気のご説明と高校生用テキストのご紹介―

平成28年10月10日

河村国語作文塾&学びのアトリエ
河村 勝之

拝 啓

台風の猛威が去りつつあるかと思う間もなく、一気に朝晩の冷え込みが厳しくなって参りましたが、いかがお過ごしでしょうか。

8月末に木曜日と金曜日の塾生の皆さんにはご迷惑をおかけしましたが、やはり前立腺に中程度のガンが発症していることが判明しました。幸いにも、骨をはじめ他部位への転移は見つからず、事無きを得ました。ただし、11月14日(月)~16日(水)と二泊三日の今後の治療のための入院が必要となり、お休みを頂かなければなりません。大切な時期にまたしてもご迷惑をおかけ致します。本当に申し訳ございません。

さらに、11月下旬より通院ではありますが、週4日の放射線治療が7週間もの期間で始まります。体調を崩してお休みを頂く事があるかもしれません。ご理解・ご協力の程、何とぞよろしくお願い申し上げます。

ところで、今回ご紹介させて頂くのは、野矢茂樹著『論理トレーニング』です。東大の教養学部他で行われた授業をもとに作られたテキストです。以前から少しずつですが、読み進めており、難関私大及び難関国公立大(二次試験に国語がある大学)を受験される生徒さんにお薦めしたいと思い、ご紹介する事に致しました。国語力の養成のみならず、他教科の論述にもつながる思考訓練の場を提供したいと思っております。私の方でも問題意識のある高1・2年の生徒さんに一人ずつプッシュしていこうと考えております。

野矢茂樹氏の同著の序論の最後にある、

・・・自分と異なる意見の相手と対話する。それこそ、論理が要求される最も重要かつ典型的な場面である。独善的な精神に論理はない。論理的な力とは、多様な意見への感受性と柔軟な応用力の内にある。・・・

という言葉が印象に残っています。先日ご紹介させて頂いた若松英輔氏の深く突き刺さってくる言葉とは趣きを異にしますが、私の心の中に明快で示唆に富む言葉として刻まれる予感が致します。

一段と寒くなって参りました。風邪も流行っているようです。お体くれぐれもご自愛ください。

敬 具

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