アトリエトーク

『10月にむけてのご挨拶』

平成28年9月10日

河村国語作文塾&学びのアトリエ
河村 勝之

拝 啓

岩手と北海道に非情な爪痕を残した台風が去り、またすぐに次の台風が来るというまさに「メガクライシス」現象の日々ですが、いかがお過ごしでしょうか。

この不安定な日々の中でも、学校の定期試験は各高校・中学校で行われており、続々とその結果も届いてきております。さらに高3生は模擬試験、中3生は学力ABCと厳しい日々が続いていきます。高3生の中には、定期試験中にもかかわらず、入試に向けての実力養成の勉強をするためにアトリエに来る生徒さんがおられ、その一貫性は見事という他ありません。一方で、定期試験の対策が、国語という教科において有効な場合もあります。実際に適切な問題集や教材をテスト範囲に選んでいる学校もあり、実力養成に寄与するものも少なからずあります。私は生徒さんに対して決して「ご自分でどうぞ!」という態度は取らず、出来る限りサポートしていこうという姿勢で、テスト対策のお手伝いをさせて頂いております。

今回の定期試験の結果や対策の事でお聞きになりたいことがございましたら、遠慮なくメールにてご連絡をお願い致します。

さて、『100分で名著』というEテレの番組を御存知でしょうか。2016年1月の「内村鑑三著『代表的日本人』」の時の講師であった若松英輔という評論家の一言一言が、深く心にしみてきたので、今回の「石牟礼道子著『苦海浄土』」も大変楽しみにしていました。第一回目は期待に違わぬ内容で、特にその中で、「悲しみの底には、悲しみを生きる者を哀れと思い、深く憐憫を感じる心がある。悲しみとは、自分が愛する者を深く認識する契機であり、その経験の奥には、底知れない美の世界が広がっている。」という若松さんの言葉が印象に残りました。最近この石牟礼道子さんの『苦海浄土』を、二十世紀を代表する日本文学、いや世界文学だという人(池澤夏樹他)まで現れてきているので、是非数十年ぶりに時間を作って少しずつ再読してみようと思います。

最後になりますが、先日の検査入院で判明致しました病気とは、根気よく付き合っていかなければならないようです。私の尊敬する社会教育家、留岡幸助の「一路白頭ニ到ル」という言葉が最近胸を去来致します。ひたすらこの国語の学習指導の道を歩いて来て37年。目指す峰はまだまだ高く、そして私の足取りは一歩一歩ですが、地道に進んでいこうと考えております。

9月23日(金)は私の誕生日で、毎年創立記念日としてお休みを頂いております。
9月22日(木)は祝日ですが、通常通りです。よろしくお願い申し上げます。

敬 具

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