アトリエトーク

『11月にむけてのご挨拶』
-ノーベル賞受賞の朗報を受けて-

平成27年10月10日

河村国語作文塾&学びのアトリエ
河村 勝之

拝 啓

一気に冬を感じる寒さが訪れて来た今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。

またしても日本人のノーベル賞ダブル受賞に沸いたこの数日間でした。医学生理学賞の大村智氏、物理学賞の梶田隆章氏の両氏と共に、周りのご家族及びスタッフの方々に心よりお祝いを申し上げたいと思います。

共通点を多くお持ちの御二人ですが、私は大変個性の強い大村博士の経歴に感銘を受けました。山梨大学を卒業後、工業高校の定時制で教えておられた博士は、昼に働き、夜に学びに来る生徒さんの油にまみれた手を見て、自分の学問的向上心に火がついたとの事でした。その後一念発起し、東京理科大の大学院へ進学、東京大学で博士号を取得するという、学問に対する一路邁進の人生が始まっていきます。

常に財布の中に小さなビニール袋を入れ、訪れた場所の土の微生物を採取するという大村先生の徹底ぶり。この徹底した「変人」を支えた奥様・お嬢様も、後に先生の努力が大きく花開くまでは、ご苦労の連続だったことでしょう。15年前に亡くなった奥様に感謝の意を述べ、お世話になった地元の人のために、美術館・温泉を送り、地方創生は「人づくり=教育」から、と言っておられる大村先生の姿は、80歳という年齢を全く感じさせない、実に溌剌としたものでした。

私も先日、59歳の誕生日を迎えさせて頂きましたが、「人づくり=教育」の信念のもと、国語好き・読書好きの方を一人でも多く育てるべく、これからの人生をこつこつ努力して参りたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

最後になりますが、入院中の父親の病状が一進一退で、休講とさせて頂くなどのご迷惑をおかけしております。申し訳ございませんが、ご理解・ご協力の程をよろしくお願い申し上げます。

敬 具

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