アトリエトーク

『塾長のオススメです!』 Vol.11

平成24年3月20日

河村国語作文塾&学びのアトリエ
河村 勝之

外岡 秀俊 著 『3・11 複合被災』(岩波新書)

安藤 忠雄 著 『自ら仕事を創造せよ』(NHKテレビテキスト仕事学のすすめ)

月刊みすず2012年1・2月合併号 『読者アンケート特集』(みすず書房)

今日はやはりあの大震災から1年たち、この本をとりあげました。著者は10年後の2021年に中学・高校生が「3・11とは何だったのか」と振り返り、本屋を調べようとする時に、手にとって欲しい本を目標とした、と述べています。最近毎日のようにNHKでドキュメンタリーの再放送をやっていますが、この未曽有の震災に向き合っていくとはどういう事なのか、そしてその上で自分に(自分たちに)出来る事は何なのか、自らに問い続けていきたいと思います。

2冊目は、いつも元気をくれる建築家安藤忠雄氏の「仕事学のすすめ」のシリーズの一冊です。あのブル・ドックのような安藤さんの顔からいつも感じるのは、知性というよりも闘争心です。文章も大変上手な人なので、彼の(とんぼの本)『ル・ユルビュジェの勇気ある住宅』や『連戦連敗』はとても面白くて、建築家志望の高校生には是非読んでいただきたいと思います。高卒で東大特別名誉教授というのもすごいですが、決して権威主義者ではなく、彼の原点に「住吉の長屋」や「光の教会」がきちんとあり、そうした若き日の建築への熱い思いがあるからこそ、ビッグネームになった今でもチャレンジ精神が失われることはないのでしょう。今、自分の生き方に自信を無くしている方にはオススメです。

最後の3冊目は、毎年この年度の変わり目に楽しみにしている一冊をご紹介します。みすず書房から出している月刊PR誌「みすず」の1・2月合併号の『読者アンケート特集』です。私は毎年この落ち着かない時期に少しの待ち時間とかで、何度も目をとおし、オススメの5冊をチェックします。それぞれの専門分野の著名な学者たちが、かなり気合いを入れて書評を書いておられるのが、たまらない魅力です。そして、目に留まった何冊かはチェックして、手帳等に書き留め、その本が近づいて来た時(私とその本とのまさに一期一会の時ですね)に購入するための貴重な一冊です。興味のある方は、一度手にとっていただきたいと思います。ただし、すでに在庫切れの時はお許し下さい。

新年度も又私のこの読書コラムを続けてまいりますので、ご感想・ご意見を心よりお待ちしております。

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