アトリエトーク

『塾長のオススメです!』 Vol.9

平成24年1月14日

河村国語作文塾&学びのアトリエ
河村 勝之

池井戸潤 著 『空飛ぶタイヤ』(上・下) 『BT 63』(上・下) 『鉄の骨』(以上講談社文庫)

荻野文子 著 『100 分de 名著 兼好法師 徒然草』(NHK 出版)

遠藤保仁・今野泰幸 共著 『観察眼』(角川one テーマ21)

昨年、池井戸潤氏の『下町ロケット』が直木賞を受賞し、ロングセラーとなって評判になった時、ある番組のインタビューを見て、とても池井戸潤氏に興味を感じました。そしてこの作家の一連の長編小説を読み始めました。ミステリー仕立ての中に、銀行からの融資とりつけ、大企業とのせめぎあい、さらに襲ってくる倒産の危機等の経営者としての様々な苦悩にぐいぐい引き込まれる一方、その経営者を陰で支える家族愛等もしっかり描かれていて、読む者を飽きさせません。城山三郎をはじめとする質の高い「企業小説」の中に池井戸潤の作品も加えていこうと思います。

昨年から始まったNHK 教育テレビの「100 分de 名著」(水曜日午後10 時~10 時25 分)という教養番組にわが受験界のマドンナ荻野文子先生が『兼好法師 徒然草』で今年の1 月から登場されました。彼女の受験に関する一連の書物は、若い時にとても(今でも時々)参考にさせていただきました。彼女の古文の造詣の深さは参考書の行間からにじみ出ていて、今回のこのシリーズも彼女の深い教養と古典への愛情、さらに彼女の兼好法師への暖かいまなざしが融け合った、とても素敵な作品になっています。この100 分de 名著シリーズはこの前のアランの時もとても感銘を受けたのですが、特に文系の高校生にはおススメです。

昔、中学・高校時代にバレーボールをやっていたこともあり、球技全般に興味があり、一流プレーヤーの書いた本を本屋さんで立ち読みする事がしばしばあります。テレビの「情熱大陸」でその人となりを見てからファンになった、サッカーの遠藤保仁さんの『信頼する力』に続く二冊目の共著『観察眼』(今野泰幸さんとの共著)もとても面白く、一気に読みました。おだやかな中にもとても気骨を感じる薩摩隼人です。応援していこうと思います。

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